耕作放棄地の畝立て 畑らしくなってきたよ

2015年から、月に数日。車で片道1時間。

機械を使わず手作業で、お山の耕作放棄地を開墾しています。

「開墾って、大変でしょう?」と聞かれますが、そんなに大変だと思ったことはなく、いつのまにか少しずつ畑っぽくなってきました。

のんびりすぎて、どこが畑か見分けがつかないくらい、気ままに楽しんでいます。

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耕作放棄地を手作業で開墾する

私の背丈ほどもある草木に覆われてしまった畑。
ここで畑をやろうと決めたものの、まずは草を刈り取らないことには土さえ見えません。
電気などは通っていませんし、機械も持っていませんから、すべて手作業です。
石や切り株につまづきながら、ノコギリ鎌で少しずつ刈り進んでいきます。
手作業なら、どんな草が生えているのか、じっくり観察することができます。

お山の畑では、草と一緒に野菜を育てていきます。
生えている草で土の状態がある程度わかります。
だから、どんな草が生えているかは大切なポイントです。

ススキ、ササなど背丈が高い荒々しい草草が密集しています。

枯れても倒れないススキやササ

ササは地下茎で畑全体に広がっています。
地上部を刈り取っても、地下茎が残っていると、また勢いよく生えてきます。
草刈りを始めて早々に、手強さを感じていました。

背丈の高い草は土に深く根を張り、土を耕してくれます。
けれど、土は酸性に傾いているため、野菜にとっては育ちづらい環境と言えます。
さらに、お山の畑は粘土質の土です。
乾燥すると、土はカチカチに固まってしまいます。
かつて農業を営んでいた畑は、すっかり荒れ地になっています。

虫さされ対策は必須!開墾中に虫にさされる

とにかく、虫にさされる。
帽子をかぶり、長袖・長ズボンの服を着て、首元にはタオルを巻き、これでどうだと挑むのですが、毎回敗北・・・

虫にさされて腫れる

何カ所もさされて、パンパンに腫らしてしまうことも度々あります。
塗り薬ですぐ治るのですが、かゆい。
顔の周りをブンブン飛んでくるなら、まだ気づくことができますが、知らない間にさされていて、時間が経った頃に「かゆいな~」って。

開墾中は虫さされ対策、必須事項です。

今のところ、ハブに噛まれる、蜂にさされるなどの大きなケガはしていません。
山にはいろんな生き物がいますから、気をつけないといけませんね。

畝をつくってみたら畑らしくなったよ

開墾したところから、少しずつ畝を立てました。
開墾が手作業なら、もちろん畝立ても手作業です。
開墾してしまえば、畝立てはすぐにできました。

耕耘機は使いません。
粘土質の土なので、重い機械は土をさらに踏み固めてしまいます。

鍬とスコップを使って軽く耕し、畝の形をつくります。

鍬とスコップで畝立て

おおおおお、畑っぽいです。

何か植えてみましょう。

開墾したばかりの土は酸性土壌なので、最初は大豆やサツマイモがいいらしいのですが、10月はちょうど玉ねぎの定植時期。
開墾1年目、2015年10月、赤玉ねぎの苗を植えました。

赤玉ねぎの苗を定植

玉ねぎはよく肥えた土で育ちます。
お山の畑では、農薬も科学肥料も使いません。
予想どうり、あまり大きくならず、小ぶりなかわいらしい赤玉ねぎがたくさん収穫できました。
スライスしてサラダに、丸のままポトフにすると、ちょうどいいサイズでした。

20年以上放置された畑でキウイが開花

草木を刈って、奥へ奥へ進んでいくとキウイの棚があります。
周りの草や棚の下草を刈ると、キウイの老木が姿を現しました。
20年以上放置されていた畑で、草木に埋もれながらも枯れることなく、今なお堂々とした姿。

2019年5月、花を咲かせています。

キウイの花


2015年から始めた開墾。
のんびり気の向くまま、手作業で少しずつ畑をつくってきました。

月に数日、0~4日ぐらいが作業日です。
体力が尽きるまでは、やりません。
ほどほどで終わりにして、車で片道1時間かけて家に帰ります。

帰って自分の顔色を見ると、普段とは明らかに違います。
とっても元気そう。

風の向きや太陽の動きを考えたり、土の状態や地形から水の流れを予測して溝をつくったり、形があるような、ないような場所から自然のままに畑をつくる。
形をつくるのではなく、なんとなく形になっていきます。

開墾、おもしろいですよ。