ひとりでのんびり 手作業でできる開墾方法

お山の耕作放棄地をのんびり手作業で開墾しています。
家族も一緒ですが、それぞれ自分の畑で野良仕事。
女性ひとりで、どうやって開墾しているのか。
その地味な開墾っぷりに驚かれるかもしれません。
でも、意外とできます。
気がつけば、20アールくらい開墾していました。

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耕作放棄地を手作業で開墾する野良道具

草刈り機でバババッ。
ユンボでザックザク。
耕耘機でサクサク。

なんてのは、いっさいありません。
基本、ノコギリ鎌ひとつです。
1代目は壊れてしまい、今は2代目を2種類使用しています。
一つは柄が真っ直ぐで、刃は均等にカーブしています。
もう一つは、柄にこぶがついていて、刃は先の方に向かって細くなっています。
それぞれ使い方に特徴があります。
とにかくザッザッとザク切りにするときには柄が真っ直ぐな鎌を。
少し太めの草木も刈ってしまいたいときは、刃の先が細くなっている鎌を。

柄が真っ直ぐなノコギリ鎌
刃の先が細くなっているノコギリ鎌

補助的に、クワ・スコップ。あとは、木を切るための小さめのノコギリです。
クワは45~90度の物を使います。根っこが張っているササやススキ、切り株などを掘り起こすとき、畝をつくるときに必要です。
スコップは、土を移動させるときに。地面に立てて、両足を乗せられるものが使いやすいです。
小さめのノコギリは、鎌で刈れないときに使いますが、出番はそんなに多くないです。たいてい、ノコギリ鎌で刈れます。

数少ない道具だからこそ高価ないいものを、とは思いません。
ホームセンターで購入できるもので十分だと思います。

自分の感覚を持つこと そこから始まる

この人、アホや・・・
皆さんのつぶやきが聞こえてきます。

効率化、合理化して早くできる方法よりも、自分で地味に体を動かす作業を選びました。機械がないからということもありますが、そうしたかったということが一番の理由です。

何からしていいのか、わからない。

恐るる最初のひと刈り。その感覚を忘れない。忘れずにいる。
自分の手で刈ったからこそ、わかること。

指先から伝わってくる刺激の強弱は、茎の太さや細さに比例しているわけでもなかったりします。

刈った瞬間の草木が放つ香りは、眉間にシワがよって鼻がおかしくなりそうな匂いもあれば、ふんわりとハーブのようなリラックスする香りがするときもあります。

刈り取っていくと、同じ畑なのに地形によって湿っぽいところもあれば、乾燥して土がカチコチになっているところもあります。土の色もまったく違う。

知識もないまま刈り進めているうちに、いつのまにか畑の形になっていく。
ああしよう、こうしようと始めに決めるのではなく、どうしようか、どうしたらいいんだろうかと思いながら、一歩一歩その足を前へ、その手を前へ。

恐いのは、自分でやったことがないから。不安なのは、こんなことをして、これからどうなるんだろうって考えるから。時間と労力のムダじゃないかって思うから。

そんなふうで、たいして気合いも勢いもなく開墾を始めたのですが、振りかえると後ろには畑の輪郭が現れていて、
「わあ、畑にできるね」という感じでした。

普段は地方都市に住む勤め人です。休日を利用して、車で片道1時間かけてお山の畑に向かいます。天気によっては月に0日のこともありますが、だいたい月に1~4日。1日、4時間程度で疲れる前に帰ります。そんな感じで、開墾4年目になります。
気づけば、20アールほど畑になりました。
のんびり手作業でも、このくらいはひとりで開墾できるということです。
ただし、自然のままに育てているので、農業を営まれているような畑ではありません。
草ぼうぼうです。

自然に生えてくるミョウガ

ほぼノコギリ鎌ひとつで、ひとりで手作業で開墾できるんだ~
(注意!うっかり、真似しないでくださいね。作業は安全を確認し慎重に行っています。)

この自分感覚が持てたことで、開墾が楽しくなってしまい、開墾がしたくて畑をしています。

お山の畑は福業です

夜空の星に照らされて、草となかよく野菜と綿が育ち合う畑づくり。
そんな自給農園が作りたくて、お山の耕作放棄地を手作業で開墾してきました。

自分の感覚から始まる。
自分にとって意味のある経験にするには労力がいるかもしれませんが、楽しいと感じる環境を自分でつくることで、無理しなくても、のんびり続けることができる。
ある程度、自分で再現できるようになると、自然にまかせた畑の方がおもしろくなるし、自分では作れない世界が広がっていきます。

草むらに放り投げていたら育っていたジャガイモ

だから、この農園は私にとっては福業です。
ダブルワークの副業でも複業でもなく、幸福の福業です。

仕事に家事にと忙しい日々。あくせくしたり、がんばりすぎたり、考えすぎたりしないで、自然のままに過ごす時間があってもいいんじゃないっかて思うんですよね。

福業、始めてみませんか?