耕作放棄地を開墾 おばあちゃんの畑を取り戻そう

20年ぶりに訪れた、おばあちゃんの家。
かつて、いろいろな野菜で彩られていた畑は草木に覆われていました。

おばあちゃんに教わりながら、野菜の収穫をお手伝いしていた景色はどこにも見当たらない。

耕作放棄地になっていました。

おばあちゃんの畑を取り戻そう。
のんびり開墾しています。

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草ぼうぼう 石ごろごろ 耕作放棄地で立ちすくむ

道がない。通路がない。

20年以上放置された畑には、立ち入ることさえ難しい。

畑の奥にキウイ棚があります。
自分の背丈以上もある草木をかき分けて、奥へ奥へ進みます。

足元が見えなくて、切り株や直径20センチくらいはある石につまずいて転ぶ。

キウイの老木はつるに覆われて、静かに存在していました。

周囲の草を刈ったキウイ棚

キウイの樹齢は20~25年くらいです。
枯れてしまうどころか、この畑を守ってきたような堂々とした姿に圧倒されます。

実をつけてくれるかもしれない。

キウイ棚を目指して、端っこから刈り進む。

機械を使わず手作業で開墾する

お山の畑は、緩い斜面につくられています。
足を多少踏ん張りながら作業します。

基本の道具は、ノコギリ鎌を使います。
刃の部分がギザギザになっていて、草だけでなく、大木でなければ切ることができます。

草刈り機も使わず、ノコギリ鎌だけで草を刈っていきました。
立っては刈り、座っては刈り。
手作業で刈りながら、植生を観察していきます。

もはや木にしか見えないくらい成長した草を少しずつ少しずつ。
切り株やススキの根っこは鍬で掘り起こします。
気がつけば、広い畑の輪郭が現れてきました。

どこから始めたらいいのか立ちすくんでいたけれど、草を刈っているときは無心でした。

1日4~5時間の作業を月に1~2回。
畑のかたちが見えてくると、どんどん草を刈っていきたくなりますが、ほどよく疲れるくらいで、1日の作業は終わりにします。

のんびり開墾、楽しいですよ。

農業資材が畑のゴミになっている

草を刈っていると、いろいろな拾い物があります。

主な拾い物は、ビニールひも、鉄くい。
そして、マルチに使う黒いシートのかけらです。

小さくボロボロになったマルチシート

農業用マルチシートは、作物を育てる畝を覆う資材です。
かつて、農業を営んでいた畑では農業資材を使っていました。
20年以上経た今、ボロボロになりながらも朽ちることなく残っています。
小さいもので5ミリくらい。大きいものは20センチ以上。
見つけては拾って持ち帰ります。

この作業が開墾を意味のあるものにしていると思っています。
地球規模からいえば、小さな点にもならない場所で小さなゴミを拾い続けている。
日々の食卓を支えるために野菜をつくり続けてきただろう、その小さなゴミは今やっと役目を終える。

開墾は、新しいいのちが育つ環境をつくっているといえるかもしれません。


お山の畑では、自然のままに綿を栽培しています。
お山の畑が実践している自然のままとは、オーガニックのことではありません。
農法のノウハウもありません。
自然のめぐみを受け取りながら、のんびり暮らしを紡いでいきたいのです。
畑の小さなゴミからも。