草ぼうぼうの耕作放棄地を手作業で開墾しながら、
山の小さな畑で綿の栽培をしている。
棉の木に花が咲いて、実をつける。
それが綿になるなんて、知らなかった。
なんとなく畑の土を苗ポットに入れて、種を蒔いて水やりをしただけ。
いつまでたっても、芽が出ない。
種を掘り出してみたい。
芽は出ないんだ…
あきらめて、忘れかけていた頃に、3粒だけ発芽した。
成長が止まったかのように見えた。
まったく大きくならない。
草も生えている。
肥料を使っていないから、栄養が足りていないのかもしれない。
夏になると急に背丈が大きくなった。
それからは、次々に蕾がついて開花が始まった。
綿の実 |
白い塊が見えてくる。
でも、全然ふわふわじゃない。
本当に綿になるのかなあ。
開花後、40~60日で綿花ができた。
じっくり、一ヶ月以上の時間をかけて、綿になる。
綿花 |
じっくりゆっくり変化していることに気づけないものだ。
そっと手のひらにのせる。
両手の中にちょこんとおさまっている。
ふわふわで、なんてかわいいのだろう。
1つの綿花に房が3~4つ。
1房、3センチくらい。
綿の種 |
綿と種は別々にできるものだと思っていた。
綿の中に何か固い物があって、
取り出してみたら「種だ!」ったのだ。
手で取ってみる。
びっしりと綿毛がくっついている。
指先に力をいれないと取れない。
頑丈に種を守っているみたいだ。
指先に伝わってくる繊細な優しさ。
7粒の種と綿。
種の形もいろいろ個性があって、おもしろい。