20年以上耕作放棄地になっていた畑。
機械を使わずのんびり手作業で草を刈り、切り株やススキの根っこを掘り起こす。
そうやっていつのまにか数年が過ぎているが、毎年毎年奮闘していることがある。
それは、刈っても刈っても生えてくる笹。
篠竹、女竹ともいうらしい。
この笹、地下茎でモリモリ増殖。
気がつけば、畑のあちこちから生えていて、見て見ぬふりをしていると、
あっという間に私の頭上を越してしまう。
その高さ、空高く見上げて2~3メートルといったところか…
このままでは畑に陽があたらない。笹の隙間に種を蒔くのは無謀すぎる。
とういうわけで、刈るしかない。
いつも使っている鎌は、刃の部分がギザギザになっていて、これ一つで草刈りをしている。
草だけでなく、大木でなければ数本束ねて、ザッザッと切ることができる。
ところが、直径2~3センチほどしかない笹の茎が固すぎて切れない。
しかたなくノコギリで一本ずつ一本ずつギコギコ。
地道にコツコツ刈り始めて、どれくらいの日々が過ぎただろうか。
もう季節は冬から春に変わろうとしている。
数年前に比べれば、かなり少なくなっている。
毎年コツコツ刈っていると、わかったことがある。
刈り続ければ生えてこなくなるが、さぼれば復活のチャンスを与えることになる。
そう、私はチャンスを与えてしまった。
わっさわっさ笹を揺らしながら、どんどん刈り倒していく。
地面すれすれ、もしくは少し地中で刈らないと後から困ったことになる。
中途半端な長さで刈った笹は節から何本も枝を伸ばして、刈ったときよりも葉が密集する。
密集して生えているあたりは、茎の中に溜まった雨水に虫がわき、
プ~ンとカビ臭い匂いが充満している。
近づくと、よくわからない虫たちが飛び出してくる。
だから、早く終わらせたくなる。
私の長靴は刈った笹が貫通して、底に穴が空いてしまっている。
斜めに切れば、少ない力で刈ることができて疲れにくく、作業がはかどる。
でも、危ない。
刈り口が鋭利になると、足や手をすべらせたときにズブリ。
刺さる。
さっさと終わらせようと雑に刈れば、後から余計に何かと手間がかかったりもする。
さて、汗だくになったら、今日の作業は終わり。
種まきまでに、あとどれくらい刈れるかな。
いつもできるところまで。